平成11年度

第2回

文書館・図書館・博物館−三つどもえの中の三者三様−

井上 如

前学術情報センター副所長

12/6/1999

講演動画

本公演の映像公開はございません。

講演概要

これら三つの「館」は、国や地方自治体が設立するとそれぞれが独立した「館」になる傾向があり、また、三つの「館」のうちどれが欠けてもその国や地方自治体の欠陥と見なされがちである。しかし歴史的にこれらのルーツを辿って行くと、洋の東西を問わず、元来は未分化であったものが次第に機能分化してきたものであることが分かるし、国や自治体ではなくて個人のレベルで考えても、やはりこれらが一家庭内に併存しているのが現実である。そこでここでは、それぞれの違いはもとより尊重しつつも、これらを相互に関連したものとしてとらえて何が見えてくるかの考察を行なった。 その際、三つの「館」に共通して当てはまりそうな解剖のためのメス、あるいは補助線を引いてみる。それらは、どこまでコピーを許すか、利用者へのコミュニケーションへの取り組み、コレクションに作り上げることがどこまで必須か、という三点である。その結果。これら三つの「館」のうち、文書館はコピーでなくオリジナルへの固執に、図書館はコミュニケーションへの固執に、そして博物館はコレクションとしての充実度への固執がきめてとなって、それぞれの相対的な特徴が生まれることと、またそれぞれ他の二者から採用すべき諸点があることをお話しいただきました。

概要・略歴

資料

知と美のハーモニーページ

NII webページ

https://www.nii.ac.jp/event/karuizawa/1999/