平成11年度
第8回
本公演の映像公開はございません。
夜空を見上げると、そこには数多くの星がまたたいています。私たちが肉眼で見ることができるのは、これらの星といくつかの星雲、そして月、金星、火星、木星、土星といった太陽系の仲間たちです。古来から人間はこれらの天体を眺めて、宇宙に思いをはせてきました。「宇宙の果てはどうなっているのだろうか」「私たちが住む宇宙はどんなところなのだろうか」「地球以外にも生命の住む星があるのだろうか」 でも答えは得られませんでした。どんなに目をこらしても、肉眼ではそれ以上、何も見えないからです。17世紀始めにイタリアの学者ガリレオ・ガリレイが望遠鏡を初めて空に向けたときから、望遠鏡の倍率が上がるたびに、私たちが見ることにできるものが少しずつ増えていきました。それに伴って、宇宙に関する知識も増えていったのです。 しかし、私たちが宇宙の神秘に迫れるようになったのはごく最近、20年ほど前からにすぎません。とくにここ5年ほどはハッブル宇宙望遠鏡などの天文衛星、地上に建設された新世代の望遠鏡など、最先端の技術と強力なコンピュータを装備した観測装置によって、新たな発見が相次いでいます。その結果、かつてはただ空想するだけであった疑問に、科学的な答えを出せるようになってきました。日本がハワイに建設したすばる望遠鏡も、これから大いに活躍してくれるでしょう。 ボイジャーのような惑星探査機は太陽系内の惑星に接近して、地球からはうかがい知ることのできなかった素顔をとらえました。地球の大気外に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡は、星が誕生する現場や死にゆく星の姿をとらえただけでなく、宇宙の果てをのぞきこむことにも成功しました。最近明らかになったこれらの宇宙の神秘を、スライドを使ってご説明いただきました。