平成17年度
第2回
本公演の映像公開はございません。
昨年から今年にかけて『父の肖像』『終わりからの旅』とい二つの長編を発表して、私はようやく、これから自分が書いていくべき道筋がぼんやり見えてきたような感じがしている。しかし、文学者もいつもその時代と対峙しなければならないのだから、社会が変われば文学者の姿勢も書法も変わらなければならない。文学を批判的な精神の営為としてとらえる時、エンターテイメント性に押され続けている現在の文学の状況は、衰微とか危機と呼ぶべきなのだろう。