平成17年度
第4回
本公演の映像公開はございません。
温暖化問題は今後の人類の抱えるもっとも難しい問題の一つである。気候変動枠組条約では、温室効果ガスの大気中濃度を人類にとって危険でないレベルで安定化することを目標としてうたっているが、このレベルがどの程度であるのか、科学的にはきわめて不明確である。本講演では、この点をめぐる議論をまず紹介しました。次に、そのレベルで安定化を実現するにはどうしたらよいかを考えました。いろいろなシナリオがすでに作られているが、基本はエネルギー利用の効率化と一次エネルギーの脱炭素で、特に後者は密度の薄い自然エネルギーの利用を大幅に拡大しなければならないだけにさまざまな工夫が必要になる。また、こうした流れの中では、排出された二酸化炭素をなんらかの形で大気に出さない形で貯留する技術が一つの実用的技術として必要になるが、その開発の現状はどうだろうか。 これらの解説を通じて、人類文明の今後のありかたを総合的にお話しいただきました。