平成20年度
第1回
本公演の映像公開はございません。
日常生活での共有経験を反映するコミュニケーションは、対話者による環境の理解と、対話者間の相互理解を基盤として成立する。ロボットが、このようなコミュニケーション能力を、実世界における人間とのインタラクションを通して学習するための計算機構について解説した。本計算機構により、ロボットは、音韻、単語、文法、物体のカテゴリー、動作、タスクに関する知識、語用論的知識など、コミュニケーション能力を構成する要素(信念)をインクリメンタルに獲得し、それらを一つの信念システムとして統合してゆく。この信念システムはダイナミックグラフィカルモデルで表現される。さらに、ロボットは、この信念システムに基づいた発話の生成と理解のプロセスを通して、対話者の信念システムの状態を推測し、自らの信念システムを修正する。ロボットと対話者は、互いにこのような調整を続けること--信念システム間のダイナミックな結合--により、状況に応じて適切に発話を生成・理解し、行動できるようになる。