平成24年度

第2回

ヴァイオリンコンサート「あぁ、モーツァルト、されどモーツァルト〜 Mozart plus One」

大津 純子(ヴァイオリニスト)、岡田 知子(ピアニスト)

6/10/2012

講演動画

本公演の映像公開はございません。

講演概要

昨年開始した<モーツァルト・シリーズ>の第2回目。 神童Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791) ‐彼の音楽に魅了された多くの学者たちの熱心な研究により、作品の数々、作曲年代など、貴重な資料の整理が著しく進みました。それと同時に、彼の悪戯っ子のような性格、大天才ゆえの常識を逸脱した生活ぶりなど、生身の<人間モーツァルト>にも注目が集まっています。しかし何と言っても、まるで"天から降ってきた"と思える純真無垢な美しい音楽は、聴く人々の心に安らぎと"救い"をもたらし続けている、といっても過言ではないでしょう。 彼が生涯に作曲した作品は600曲を超えます。ヴァイオリン・ソナタは43曲あるとされてきましたが、その中7曲が偽作と判明!第一作目のソナタは6、7歳の時、そして10歳までに16曲(内、Kv.10-15の6曲 はフルート・ソナタでもある)のソナタ=正確にいうなら"ヴァイオリン助奏付ピアノ・ソナタ=が作曲されました。その後1778年から88年の10年間に数々の名作が生まれますが、それらの作品を通して、モーツァルトの作曲家としての成長を窺い知ることができます。 このシリーズでは出来るだけ多くのヴァイオリン・ソナタを取り上げたいと考えているのですが、欲張りな私(笑)は、モーツァルト作品と絡めて"コレ!"と思う作曲家の作品もご紹介したい思いに憑りつかれ(苦笑)、タイトルのような <Mozart plus one>のアイディアに辿りつきました。 今回は、モーツァルトとミドルネームを同じくするチェコ(モラヴィア地方ブリュン)出身で、ウィーンで活躍した Erich Wolfgang Korngold(1897-1957) の作品を入れてみることにしました。平成15年の軽井沢土曜懇話会「リヒャルト・シュトラウスからアールヌーボーの世界へ」で、彼のヴァイオリン・コンチェルトの第2楽章を演奏しましたから、記憶に残っておられる方もいらっしゃるかもしれません。とても複雑なスコア(総譜)なのですが、何といっても色彩溢れる華麗なハーモニーは格別です。 幼い頃から作曲の才能を示し、「モーツァルトの再来」と称される神童でした。9歳の時の作品、カンタータを聴いたマーラーは「天才だ!」と叫び、12歳で作曲した『ピアノ・ソナタ第1番』はリヒャルト・シュトラウスに戦慄と恐怖を与え、名ピアニスト、シュナーベルは13歳の作品『ピアノ・ソナタ第2番』をヨーロッパ中に紹介し、ベルリン・フィルの大指揮者ニキシュは14歳のコーンゴルド(又はコルンゴルト)に『劇的序曲』を委嘱。幼少時の『シンフォニエッタ』を完成させた15歳の頃には、コーンゴルドは既にプロ作曲家として第一線で活躍。1920年の作品、オペラ『死の都』(Die tote Stadt)の大成功によって、23歳にしてオペラ作曲家としての世界的評価を確立・・・(以上、ウィキペディアより)と、その功績には脱帽です。しかしユダヤ系であったためにヒットラーの台頭によりアメリカに亡命し、ハリウッドで映画音楽を手掛けることになります。 大変長い前書きになってしまいましたが、今回はモーツァルトの明るい2曲のヴァイオリン・ソナタに加え、コーンゴルドのオペラ『死の都』から、悲しくも美しい『マリエッタの歌』をお届けします。(大津純子) Wolfgang Amadeus Mozart((モーツァルト):ヴァイオリン・ソナタ Kv.296 ハ長調 Wolfgang Amadeus Mozart(モーツァルト):ヴァイオリン・ソナタ Kv.454 変ロ長調 Erich Wolfgang Korngold(コーンゴルド):マリエッタの歌〜オペラ『死の都』作品12より

概要・略歴

http://www.junko002.com/

資料

知と美のハーモニーページ

NII webページ

https://www.nii.ac.jp/event/karuizawa/2012/